RubyWorld Conference 2020 開催趣意書

昨年末に発見された新型コロナウイルスの猛威は驚くべき速さで世界中に広がり、何百万人もの感染者が出て、それにともなう死者の数も驚くほどです。コロナ禍は私たちを取り巻く世界を一変させてしまいました。今や、国外移動はもちろん、国内の移動すらためらわれる世の中です。このような状況に私たちも適応していかなければなりません。

今回で第12回目となるRubyWorld Conference 2020も例外ではありません。開催地の島根県がいくら人口減少県で、よその地よりも感染の危険が少ないとしても、通常通りの国際カンファレンスを開催するわけにはいきません。そこで、私たちにとって初の試みであるオンライン開催に踏み切りました。規模も縮小して単日開催としました。

このような変更は主催者としても苦渋の決断でありました。もともと本カンファレンスは、世界中から多くの方をRubyのホームタウンである松江にお招きして、直接交流することで新しいつながりを作り、コミュニティを発展させることを狙っていました。オンライン開催では、参加の敷居は下がるものの、どうしても交流の面で弱くなり、カンファレンス価値の減少につながりそうです。

しかし、愚痴を言ってもしかたがありません。私たちがどう感じるかに関係なく、すでに世界は変わってしまったのです。私たちにできることは変わってしまった世界にどうにかして対応することだけです。

慣れないオンライン開催で参加者の皆様にはご不便を感じさせてしまうこともあるかもしれません。しかし、新しい世界のための新しいカンファレンスを作る試みは決して無駄なことではないでしょう。むしろ、Rubyが作り出してきた世界に新しいページを加える過程に積極的に参加しているのだと考えましょう。

新しい世界へようこそ。この世界をより良くしましょう、一緒に。

RubyWorld Conference 開催実行委員会
委員長 まつもと ゆきひろ

過去の開催趣意書